ランドセル選びを始めると、手作りにこだわる工房系と工場でたくさん作る量産系の大手ランドセルメーカーがあることがわかります。
それぞれに魅力があり、調べれば調べるほど、どのランドセルメーカーにすればいいか迷ってしまいますよね。
工房系ランドセルは毎年人気が高く、早い時期からラン活をしないと出遅れてしまう、というイメージがあります。
一方大手ランドセルメーカーは、安定した生産ができるので、ゆっくりラン活をしたい人にはぴったり。
ここでは工房系ランドセルメーカーと、大手ランドセルメーカーとの違いや、人気ブランドなどをご紹介していきます。
これからランドセルを購入したいと思っている方は、ぜひ参考にしてくださいね。
目次
工房系メーカーと大手メーカーの違い
まずは工房系のランドセルメーカーと、量産系の大手ランドセルメーカーの違いをチェックしてみましょう。
工房系ランドセルメーカーの特徴
工房系ランドセルメーカーの大きな特徴は、次の5つ。
- 量より質にこだわっている
- 重要な部分は手縫いをする
- 仕上がりを良くするために時間をかける
- 天然皮革を採用していることが多い
- ベーシックなデザインが多い
工房系ランドセルは、質にこだわったランドセルを提供しているのが最大の魅力で、重要な部分は手縫いをするなど、量をたくさん作ることができません。
そのため、仕上がりの良いランドセルが手に入る一方、完売までの時期が早いというデメリットも。
また、素材にはコードバンや牛革などの天然皮革を採用しているランドセルが多く、クラリーノなどの人工皮革は全体の3割ほどといわれています。
素材が良いため、耐久性に優れているのも工房系ランドセルの魅力です。
デザインもシンプルでベーシックなものが多く、6年間飽きずに使えます。
量産系大手ランドセルメーカーの特徴
量産系の大手ランドセルメーカーの大きな特徴は、次の5つ。
- 機械化することで大量生産が可能
- 手作業ではあるがほとんどがミシン仕上げ
- 立ち上がり背カンなど背負いやすい
- 人工皮革が中心
- イマドキの華やかなデザインが多い
量産系の大手ランドセルメーカーでは、ランドセル作りの工程を機械化することで、年間を通して安定した生産量を保つことができています。
手作業の工程はあるものの、ほとんどがミシン仕上げになるので、工房系に比べると強度で不安を感じる人もいるかもしれませんね。
たくさん生産できることで完売することはほとんどなく、ゆっくりランドセルを選びたい人にもおすすめ。
素材はクラリーノなどの人工皮革が9割で、軽く耐水性に優れているのがポイントです。
また、カラーバリエーションやデザインも豊富で、イマドキな華やかなデザインのランドセルが欲しい、という人は、量産系の大手ランドセルメーカーの方がマッチするかもしれません。
2つの大きな違いは?
工房系のランドセルメーカーと量産系の大手ランドセルメーカー、それぞれの特徴は分かったものの、具体的にどこが違うのか、もっとはっきり知りたい、という人もいるでしょう。
ここでは2つの違いを比較してみましょう。
工房系 | 量産系 | |
---|---|---|
人気 メーカー |
・鞄工房山本 ・萬勇鞄 ・池田屋 |
・セイバン ・フィットちゃん ・ふわりぃ |
製造 | 重要な部分は職人が手縫いをし、量より質を重視している。 | 基本はミシンを使用し、機械化することでたくさん製造できる。 |
機能 | 背負いやすさにこだわるものの、立ち上がり背カンなどは搭載していないメーカーもある。 | 立ち上がり背カンや軽く感じる工夫など、新機能を搭載したランドセルが多い。 |
素材 | 天然皮革が7割、人工皮革が3割 | 天然皮革が1割、人工皮革が9割 |
デザイン | シンプルでベーシック | 華やかでイマドキ |
販売開始時期 | 3月から4月に販売が開始され、早いと6月で完売するメーカーも。遅くても年内に完売することが多い。 | 新モデルは4月ごろ発売されるが、1年を通して在庫が安定し、完売することはあまりない。 |
購入場所 | ・オンラインストア ・直営店 |
オンラインストア ・直営店 ・量販店 ・百貨店 |
工房系のランドセルは、職人による手作業の工程が多く、力がかかりやすい肩ベルトやランドセルの底などはすべて手縫い、というメーカーも。
シンプルで高級感のあるランドセルが欲しい人は、工房系のランドセルがおすすめです。
量産系のランドセルは、安定した生産ができるので、完売することが少ないというのは大きなメリットですね。
刺繍が施されているデザインも多く、イマドキのデザインのランドセルが欲しい人や、軽さにこだわりたい人は、量産系がおすすめです。
おすすめ工房系メーカー10選
1.鞄工房山本
「鞄工房山本」は、、ランドセルを作り続けて50年以上が経ち、創業当初から現在まで、革の型入れから仕上げまで、すべての工程を奈良の工場で行っています。
手間暇かけて仕上げることで、高級感のある上品なランドセルが完成します。
ランドセルのデザインはシンプルで大人っぽいものから、華やかなモチーフ付きのものまで、バリエーション豊富に用意しています。
全23シリーズ、85種類のランドセルがそろっているので、お気に入りがきっと見つかるはず!
モデル数 | 20モデル以上 |
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価格帯 | 49,900円 〜 190,000円 |
対応素材 | 人工皮革、牛革、コードバン |
6年保障対応 | あり |
2.池田屋
1950年に創業した、ランドセルの専門店「池田屋」。
子どもが使いやすいことを大前提に、子ども目線の理想のランドセルを作り続けています。
ほかの工房系メーカーでも、刺繍を施しているところもありますが、「池田屋」では刺繍も一切入れないシンプルなデザインが特徴です。
素材の強度を保ち、水に濡れても染みにくいなど、刺繍を入れないことにもこだわりを持っているんですよ。
シンプルでも、かっこいい! おしゃれ! と思ってもらえるデザインに仕上がっています。
モデル数 | 10モデル以上 |
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価格帯 | 49,500円 〜 98,000円 |
対応素材 | 人工皮革、牛革、コードバン |
6年保障対応 | あり |
3.萬勇鞄
1950年の創業以来、素材にこだわったランドセルを作り続けている「萬勇鞄」。
シンプルでベーシックなのに、子どもが喜ぶ遊び心も取り入れた、萬勇鞄だけの特別感のあるランドセルが手に入ります。
オーダーメイドランドセルの販売があるのも魅力です。
素材やカラーなどをセミオーダーでき、そのバリエーションは36億通り以上!
また、素材やデザインだけでなく、体の小さな子どもでも背負いやすいよう、立ち上がり背カンや通気性とフィット感に優れた背あてなど、背負いやすさにもこだわっています。
モデル数 | 30モデル以上 |
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価格帯 | 53,900円 〜 101,200円 |
対応素材 | 人工皮革、牛革、コードバン |
6年保障対応 | あり |
4.カバンのフジタ
山形市に本社を置く、創業60年を超える老舗のランドセルメーカーです。
工房系の良いところはそのままに、イマドキの小学生のランドセル事情に沿って、デザイン性の高さや背負い心地の良さにもこだわったランドセルを作っています。
このメーカーの最大の特徴は、牛革なのに光るランドセルを開発したこと。
フラッシュ撮影をすると、サイドに施したモチーフがピカっと光ります。
女の子向けは11種、男の子向けは12種と、バリエーション豊富なのもうれしいですね。
モデル数 | 15モデル以上 |
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価格帯 | 58,000円 〜 98,000円 |
対応素材 | 人工皮革、牛革、コードバン |
6年保障対応 | あり |
5.キッズアミ
「キッズアミ」は、1948年創業の老舗メーカー「ナース鞄工」によるランドセルブランドです。
ランドセルとして、初めて文部大臣賞を受賞するなど、技術力には高い評価を得ています。
世代を超えて愛されるランドセルをテーマにしているだけあり、ランドセルのデザインは飽きのこないシンプルなものをベースに、子どもの興味をそそるおしゃれな遊び心をプラス。
高学年になっても教材をラクラク収納できる大容量の大マチと、マチ幅を広げられる小マチも魅力ですね。
モデル数 | 25モデル以上 |
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価格帯 | 58,300円 〜 121,000円 |
対応素材 | 人工皮革、牛革、コードバン |
6年保障対応 | あり |
6.モギカバン
「モギカバン」は、1929年に創業した老舗のランドセルメーカーです。
伝統を大切にしつつも、時代の変化に柔軟に対応する先進性を融合した、「モギカバン」でしか作れないランドセルを提案し続けています。
ランドセルのデザインはとてもシンプルですが、鋲やファスナーチャームなど、細かい部分におしゃれな要素をさりげなくプラスしています。
とくにコードバンのバリエーションが豊富で、全5モデル、カラーは一番多いモデルで13色と、コードバンのランドセルが欲しいという人はぜひチェックしてほしいブランドです。
モデル数 | 15モデル以上 |
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価格帯 | 53,000円 〜110,000円 |
対応素材 | 人工皮革、牛革、コードバン |
6年保障対応 | あり |
7.村瀬鞄行
「村瀬鞄行」は、1957年に名古屋で創業したランドセルメーカーです。
シンプルなデザインから、ちょっと変わった斬新なデザインまで、自分だけのお気に入りを見つけたい、という人におすすめですよ。
「村瀬鞄行」では、天然皮革と人工皮革それぞれのランドセルを提案する「村瀬鞄行のランドセル」と、おもに人工皮革のランドセルを提案する「mu+ランドセル」という2つのブランドがあります。
どちらも背負い心地にこだわった仕様になっているので、デザインの好みや予算に合わせて選んでみてください。
モデル数 | 25モデル以上 |
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価格帯 | 44,000円 〜132,000円 |
対応素材 | 人工皮革、牛革、コードバン |
6年保障対応 | あり |
8.羽倉(HAKURA)
かばんの街・兵庫県豊岡から、大人もうらやむランドセルを提案している「羽倉(HAKURA)」。
優れた耐久性とデザイン性にこだわり、これまでにない豊岡らしいランドセル作りを目指しています。
そのひとつのこだわりといえるのが、羽倉だけのオリジナルカラー。
工房系の中でも最多の27色を用意しています。
華やかなのに落ち着きを感じられたり、落ち着きがあるのにどこか可愛らしかったり、ほかの人とランドセルの色がかぶらないというのも魅力ですね。
モデル数 | 7モデル以上 |
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価格帯 | 52,800円 〜 110,000円 |
対応素材 | 人工皮革、牛革、コードバン |
6年保障対応 | あり |
9.Conosaki
「conosaki」は、昭和59年に創業したランドセルメーカー。
こだわりのデザインのランドセルを多く提案し、ほかの人とは絶対にかぶりたくない、自分だけのおしゃれなランドセルが欲しい、という人におすすめです。
とくに注目されているのが「つむもの」というシリーズ。
日本の美と伝統の色を取り入れ、全く新しいタイプのランドセルを提案しています。
ほかにも2色のカラーを取り入れた「coloris」も、とってもおしゃれですよ。
モデル数 | 9モデル以上 |
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価格帯 | 55,000円 〜 79,000円 |
対応素材 | 人工皮革、牛革 |
6年保障対応 | あり |
10.土屋鞄
1965年にランドセルを製造することからスタートした「土屋鞄」。
長く使えること、品のある佇まいであることを意識し、シンプルで上品なデザインのランドセルを提案しています。
牛革ランドセルのラインナップがとくに豊富で、カラーバリエーションもたくさん。
外側のデザインはシンプルですが、内装にカラフルなプリント柄を採用したおしゃれなデザインのランドセルもありますよ。
工房系の技術をギュッと詰め込んだ、ヌメ革ランドセルがあるのもポイントですね。
モデル数 | 9モデル以上 |
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価格帯 | 55,000円 〜 79,000円 |
対応素材 | 人工皮革、牛革 |
6年保障対応 | あり |
工房系ランドセルに関するQ&A
どんな人に工房系ランドセルがおすすめ?
工房系のランドセルは、シンプルで落ち着いたデザインを採用しているメーカーが多いのが特徴。
そのため、小学校を卒業するまで飽きずに使えるランドセルを選びたい、と考えるご家族にこそおすすめです。
また素材はもちろん、壊れやすい部分に関しては手縫いでしっかり補強するなど、仕上がりにもこだわっています。
丈夫で上質なランドセルが欲しい、ちょっと乱暴に扱っても傷がつきにくいほうが良い、という人にもぴったりですね。
やや価格が高いというデメリットはありますが、そのぶん質と強度は十分ですから、価格にはあまりこだわらないという人にもいいでしょう。
工房系のランドセルはいつ頃に購入するのが良い?
工房系のランドセルが気になっているけど、いつごろ購入するのがいいのか迷っている、という人もいるでしょう。
お目当ての工房系ランドセルメーカーがある場合は、確実に欲しいランドセルを購入したいですよね。
工房系のランドセルは、量産系に比べて年間の生産数が少ないのが特徴。
そのため、工房系のランドセルは早い段階で完売になってしまうモデルも多いです。
具体的にいつごろ購入すればいいのかというと、確実に購入するなら5月中がおすすめです。
多くの工房系メーカーは、3月ごろに販売開始となるため、入学する約1年前ということになりますね。
それより早い段階でカタログ請求の予約もあるので、気になる工房系ランドセルメーカーがある場合は、情報をこまめにチェックしてみてください。
工房系ランドセルメーカーを選ぶときの基準を知りたい
工房系ランドセルメーカーといっても、その数はたくさんあり、どこのランドセルにしようか見れば見るほど迷ってしまいます。
どんな基準でメーカーを選べばいいか、というポイントも知っておきたいですよね!
工房系ランドセルメーカー選びのポイントは次の4つ。
- 素材にこだわっている
- 機能が優れている
- カラーバリエーションが豊富
- デザイン
工房系の魅力ともいえるのが、ランドセルに使用する素材です。
上質なのはもちろんですが、防水性や耐久性に優れた加工をしているか、チェックしてみてください。
また、背負いやすさや収納力の高さなど、作りだけでなく子どもが使いやすいことを重視していることも、大きなポイントになります。
あとは子どもが好きなカラーやデザインをそろえているかどうか。
ランドセルを毎日使うのは子どもです。
子どもが気に入った色やデザインのランドセルがあることも、選ぶ基準になりますね。
工房系のランドセルはやっぱり重いの?
上質でシックなデザインが魅力の工房系ランドセルですが、重さが気になる、という人もいるかもしれませんね。
重さの目安は次の通り。
クラリーノ (人工皮革) |
900g~1,200g |
---|---|
牛革 | 1,100g~1,500g |
コードバン | 1,400g~1,600g |
コードバンになると、ぐっと重くなるのがわかりますね。
確かに素材が上質になればなるほど、ランドセルが重くなるのは事実です。
しかし最近の工房系ランドセルメーカーでは、軽量化を目指しているところも増え、上質でも軽い設計のランドセルがたくさんありますよ。
いくつかのメーカーのランドセルの重さを比較してみるといいかもしれません。
値段も気になる!
やはりランドセル選びで一番気になるのが、値段ではないでしょうか。
ランドセルは安い買い物ではありませんから、良いものをできるだけ安く購入したいと考える親御さんも少なくありません。
工房系ランドセルメーカーは、量産系大手メーカーに比べると、確かに高級志向のものが多い印象です。
とはいえ、高いから良い、安いから悪い、というわけではないので、自分たちにマッチした素材を使っているか、求める機能があるか、という点をチェックしてみてください。
まとめ
丁寧な手仕事や、上質な素材を使っていること、上品で大人っぽいデザインなど、工房系ランドセルメーカーの魅力はたくさん!
ここ数年で新しい工房系ランドセルメーカーも登場するなど、ますます注目度がアップしています。
人気のランドセルメーカーというのも選ぶひとつの基準になりますが、子どもが気に入ったランドセルか、背負い心地が良さそうか、という点を重視して選んであげるのがおすすめです。
気になるメーカーをいくつかピックアップして、子どもと一緒にどれにしようか考えてみてくださいね。
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