丈夫で傷がつきにくく、高級感のある風合いが魅力の牛革。
ランドセルの素材としてはもっともベーシックなもので、子どもには牛革のランドセルを選んであげたい、と考える親御さんも多いのではないでしょうか。
とはいえ、本当のところ牛革のランドセルは何がいいのか、ほかの素材と比べるとどんな違いがあるのかなど、牛革についてよくわからないという人もいるかもしれませんね。
ここでは、納得して牛革のランドセルを選べるように、牛革とほかの素材の違いや、牛革のメリット・デメリットについてご紹介します。
それに加え、おすすめの牛革のランドセルブランドも併せてご紹介するので、ランドセル選びの参考にしてみてくださいね。
目次
牛革ランドセルの特徴を解説。人工皮革・コードバンとの違いは?
ランドセルの素材は、大きく分けて3つの素材が採用されています。
- コードバン
- 牛革
- 人工皮革
ぱっと見ではどれも違いがわかりにくいため、実際にどんな違いがあるのか気になるところです。
まずはこの3つの素材の違いについて知っておくことで、牛革のランドセルの良さも見えてくるはずですよ。
コードバン
コードバンとは、馬のお尻の革をなめした素材で、馬1頭からわずかランドセル1~2個分しか取れない、とても希少な素材です。
そのため価格はほかの素材に比べてやや高く、10万円以上するものがほとんど。
コードバンは密度がしっかりしていて厚みがあり、耐久性に非常に優れているのが最大の魅力です。
素材に触れた時のしっとりと吸いつくような肌触りは、ほかの素材では味わえないほどの高級感を実感できるはず。
使い込むほどに味わいが増し、体にフィットしてくるのも、コードバンの特徴といえるでしょう。
以前は耐水性に劣る素材として認識されていましたが、最近は技術の進歩により、牛革と変わらないくらい耐水性に優れた素材も増えました。
重いイメージもありますが、牛革と比較すると約200gほどの差なので、ほとんど気になりません。
牛革
ランドセルの定番の素材といえば牛革、というイメージがある人も少なくありません。
耐久性に優れていて、防水性もあり、多少乱暴に扱っても傷がつきにくいことが魅力です。
コードバンほどではありませんが、牛革独特の風合いとツヤ、しっとりとした手触りは高級感もしっかり感じられます。
コードバンに比べると耐水性にも優れているので、お手入れがしやすいというのも特徴のひとつですね。
重さに関しては、コードバンよりも軽く、人工皮革よりも重く、ちょうど中間の重さといっていいでしょう。
最近は牛革でも軽量タイプのランドセルも増え、人工皮革のランドセルとほとんど変わらないランドセルも増えています。
人工皮革
最近のランドセルの主流になっているのが、人工皮革です。
人工皮革は合皮と混同されがちですが、人工皮革は天然皮革と同じ構造で、限りなく天然皮革に近づけて製造されているため、強度に優れているのが特徴。
人工皮革のなかでも、クラリーノは人工皮革ランドセルのおおよそ7割を占めています。
クラリーノにも種類があり、とくに傷に強いものや耐水性に優れているものなどがあるんですよ。
耐久性に関しては天然皮革に劣りますが、耐水性に関してはもっとも優れているのが人工皮革です。
また、高級感も天然皮革と比べるとあまり感じられないかもしれません。
カラーバリエーションはかなり豊富で、自分らしいランドセルを選びたい、という人は人工皮革のランドセルがおすすめ。
3つの素材の違い
素材 | 価格 | 重さ | 高級感 | 耐久性 | 耐水性 |
---|---|---|---|---|---|
コードバン | 高 | 重い | ◎ | ◎ | ◯ |
牛革 | 中〜高 | やや重い | ◯ | ◯ | ◯ |
人工皮革 | 低〜中 | 軽い | △ | △ | ◎ |
価格だけで見ると、コードバンが高く人工皮革が安い傾向にあり、値段を抑えたいなら人工皮革がおすすめです。
また、重さも考慮するなら人工皮革のほうが、子どもの体に負担が少ないかもしれませんね。
コードバンほどの高級感は必要ないけど、それなりの高級感を味わわせてあげたい、天然皮革は譲れない、という人は牛革のランドセルを選ぶといいでしょう。
牛革はコードバンと人工皮革の良いところ取りの素材なので、どの素材にしようか迷ったときでも、牛革を選べば間違いありませんよ。
牛革のメリット・デメリットは?
牛革のランドセルはメリットがたくさんありますが、もちろんデメリットに感じる部分があるのも事実です。
ランドセルは1度購入したら、小学校を卒業するまでの6年間、買い替えることはほとんどありません。
実際に購入する前に、牛革のメリットとデメリットを把握しておくことで、より納得して購入できるはずですよ。
牛革のメリット
牛革のメリットは次の4つ。
・独特の風合い
・傷がつきにくく丈夫
・価格の幅が広い
・愛着がわく
天然皮革である牛革は、独特の風合いが特徴で高級感もしっかり感じられます。
使えば使うほど劣化していく人工皮革に対し、牛革は使い込むほどにツヤと味わいが増し、愛着もわいてきますね。
また牛革は強度のある素材としても知られていて、多少こすれたくらいでは傷はほとんど気になりません。
ついてしまった傷も、使うことでなじんでいくのも魅力です。
価格に関しても、5万円台から8万円台と幅広く、予算に合わせて選びやすいのもメリットのひとつですね。
牛革のデメリット
メリットに魅力を感じる牛革ですが、気になるのはデメリットですよね。
牛革のデメリットは次の3つ。
・人工皮革よりも重い
・良質な素材は高級
牛革は傷に強いのに対し、水には弱い性質があります。
最近のランドセルには防水加工が施されていますが、土砂降りのなか、傘も差さずに帰ってくれば、ランドセルには相当のダメージとなり、それなりのお手入れが必要になります。
また人工皮革と比べると200g~400gほど重いというデメリットも。
軽量化を目指した牛革ランドセルもありますが、やはり人工皮革と比べてしまうと、重さが気になります。
価格の関しても、素材に特殊な加工が施されていたり、希少な牛革を使用したりする場合は、高級になってしまうのもデメリットといえるでしょう。
牛革ランドセルおすすめブランド!
ランドセルの素材は牛革にしたい、と考えていても、ランドセルメーカーが多すぎてどこのランドセルにすればいいか、調べれば調べるほど迷ってしまいます。
ここでは牛革を採用した、毎年人気のランドセルメーカーをご紹介します。
それぞれこだわりを持ってランドセルを作っているメーカーばかりですので、お気に入りのランドセルを見つけてくださいね。
1. 鞄工房山本
1949年に創業した老舗のランドセルメーカー「鞄工房山本」。
シンプルだけどおしゃれな雰囲気も感じられる、男の子にも女の子にもうれしい豊富なデザインをそろえています。
2022年度のランドセルは、全部で85種類を用意し、カラーバリエーションは全16色と、どれを選ぼうか迷ってしまいますね。
牛革のランドセルは12モデルがあり、シックで大人っぽい高級感のある雰囲気に、イマドキ感をプラスしたデザインがそろっていますよ。
2. 池田屋
「池田屋」は1950年に創業したランドセルメーカーで、子どもの立場になって考えた、使い心地の良いランドセルを提案し続けています。
量産品では出すことができない最高のクオリティをもとめ、高学年になっても飽きずに使えるデザインにもこだわっているメーカーです。
牛革のランドセルは全部で6種類を用意し、どのモデルも高級感たっぷりで、シンプルなのにほかの人とかぶらないのがうれしいポイント。
ほかのメーカーではあまり見られない、シルバーメタリックのカラーや、半かぶせタイプのランドセルもあります。
3. カバンのフジタ
1957年に創業し山形県の本社を置く、老舗の工房系ランドセルメーカー。
2022年度用のランドセルでは、工房系発の光るデザインを牛革ランドセルに施し注目されました。
ランドセルの背あて部分にあるヘリを無くしたことで、約2cmのコンパクト設計に成功。
そのため、牛革にしては比較的軽量で、高級感も軽さも実感したいというご家族に高い支持を得ています。
デザイン性も高く、シンプルなのにおしゃれなものばかりですよ。
4. 萬勇鞄
「全ての人に勇気を与えるランドセル」というコンセプトを掲げランドセルを製造しているランドセルメーカー。
高学年になっても飽きのこないデザインと、計117色のカラーバリエーションが魅力です。
すべてのランドセルに、子どもの名前が入ったネームプレートが付くのもうれしいポイントですね。
また、自分だけのランドセルが欲しいという人にうれしい、オーダーメイドランドセルがあるのも、萬勇鞄の魅力のひとつ。
本体のカラーのほかに、刺繍や内装が選べますよ。
5. キッズアミ
1948年創業の老舗カバンメーカーが作る、ランドセルブランド。
世代を超えて愛されるランドセルを目指し、シンプルだけどおしゃれで使い勝手の良いランドセルを提案しています。
ランドセルにはキッズアミの独自製法「フラットキューブ型」を採用し、見た目はすっきりだけどたっぷり入るランドセルが実現しました。
もちろん、従来のかたち「学習院型」のランドセルもあり、好みに合わせて2つのかたちから選べるのもうれしいですね。
また、牛革にデニム素材を組み合わせたり、新しいランドセルのかたち「横型×ハーフかぶせ」のデザインを取り入れたりと、イマドキ感もたっぷり味わえるブランドです。
6. 羽倉(HAKURA)
かばんの街・豊岡から、大人もうらやむようなおしゃれなランドセルを提案しているメーカー。
ランドセルのモデルは全8種と決して多くはありませんが、羽倉オリジナルのカラーを27色も採用しているのが最大の特徴です。
ありそうでなかった落ち着きのある色は、高学年になっても使いやすいはず。
羽倉でもオーダーメイドランドセルを取り扱っていて、その組み合わせは62,000通り以上。
オーダーメイドランドセルはサイドのカラーをバイカラーにもできるので、シンプルだけど個性を表現したい子どもにもぴったりですよ。
7. モギカバン
1929年に創業して以来、本当に良いものにこだわりランドセルを作り続けてきたモギカバン。
シンプルながらも美しく、存在感のあるデザインのランドセルが魅力です。
ランドセルのバリエーションも豊富で、コードバン・牛革・人工皮革の3つの素材を採用し、合わせて全182種のランドセルを提案しています。
素材には特にこだわり、牛革は3種類を用意しています。
ランドセルのかたちも、ベーシックスタイルとキューブスタイルがあり、好みに合わせて選べますね。
牛革ランドセルに関するよくある質問
牛革ランドセルのお手入れの方法を知りたい!
牛革のランドセルはお手入れが大変そうなイメージがありますが、具体的にどんなお手入れをすればいいのかわからない、という人もいるでしょう。
最近のランドセルは防水や防傷加工が施されているので、難しく考えずにやってみてくださいね。
まず日々のお手入れですが、雨に濡れた時は乾いたやわらかい布でサッと拭きとるくらいでOKです。
小まめにオイルを塗る必要はありません。
常にランドセルカバーを付けている場合は、週に1度取り外し、通気性を保ってあげると、ひび割れなどのリスクが少なくなります。
あまりに汚れが目立つ場合は、牛革用のクリーナーを使って汚れを落としましょう。
どのクリーナーを使えばいいか迷ったら、購入したメーカーに問い合わせてみると安心です。
牛革ランドセルは重いというけど本当?
牛革のランドセルで一番気になることといえば、その重さですよね。
小学1年生にとっては数百グラムの差でも気になってしまいます。
確かに牛革は人工皮革に比べると重いですが、その差は教科書1冊分程度。
背負ってしまうとさほど気にならないという人がほとんどです。
ランドセルの実際の重さよりも、背負いやすさや軽く感じるかどうかを重視したほうが、子どもの体の負担になりにくいのでおすすめですよ。
牛革にも種類があるの?
牛革にもいくつか種類があり、それぞれ特徴が異なります。
ランドセルにおもに使われている牛革の種類は、次の3つです。
光沢があり、高級感もありますが、傷がつくと目立ちやすいというデメリットがあります。
耐久性に優れ、傷がついても目立ちにくく、お手入れしやすいのがメリット。
お手入れに手間がかかるため、ランドセルに採用しているメーカーはとても少ないです。
まとめ
近年では人工皮革にリードされている牛革ですが、ランドセルの素材としては根強い人気を誇っています。
高級感があり、耐久性にも防水性にも優れている牛革は、ランドセルにぴったりの素材なんですね。
最近では技術の向上により、カラーバリエーションも増えましたし、重さも軽量化が進んでいます。
価格も幅広いので、予算に合わせて選べるのはうれしいですね。
メーカーはそれぞれのこだわりを詰め込んで牛革のランドセルを提案しています。
お気に入りのメーカーから、牛革のランドセルをチョイスしてくださいね。
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